サフランは、薬用植物並びに香辛料の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:アヤメ科クロッカス属 学名:Crocus sativus 原産地:小アジア 生態:多年草 小アジアが原産の多年草で、草丈は20㎝~30㎝に達し、晩秋に花を一株に最大4つつける。花は薄紫色で、3本ずつの鮮やかな深紅の柱頭は、めしべの先端部である。この部分を収穫して乾燥させてから、呼吸感染症や呼吸障害または心臓病や胃がんの治療薬や、料理の着色料に用いてきた。例えば、スペイン料理のパエリアの色付けにサフランを用いることは有名である。この黄色色素は、クチナシにも含まれる。 古代ギリシアから調理用や染色用として知られ、サフランの色素による黄色は、王族のみが使用することを許されていた色であったという。我が国には江戸時代後期に平賀源内が本草学の博覧会のカタログ「物類品隲」に乾燥させたサフランの紹介をしているのが初出で、わが国での本格的な栽培は明治中期に始まり、あまねく日本全土に広まった。現在は香辛料用や薬用だけでなく、薄紫色の花を観賞するためにも栽培される。