コオニユリとは、山菜の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:ユリ科ユリ属 学名: Lilium leichtlinii var. maximowiczii 原産地:日本、中国、ロシア 生態:多年草 山地の日当たりの良い場所に生え、庭園に栽培もされる多年草である。草丈は1m内外で、和名はオニユリより草丈が短いことによる。 7月から9月に鮮やかな橙色で、黒紫色の斑点がはいる花を下向きに咲かせる。見た目はオニユリとよく似ているが、前述のように草丈が短いことと、花の数がオニユリより少ないこと、また茎にムカゴが付かないことで区別できる。 根茎は「百合根」の名称で食用になる。球根はオニユリのそれよりも風味がよいとされる。ほくほくとした食感とほのかな甘みがあり、きんとんや煮物にして食す。球根を食用にすることができるユリは本種とオニユリ、ヤマユリ、カノコユリの4種である。第二次大戦中・戦後の食糧難のなか、天候不順によりイモ類やカボチャなどの作物の収穫量が減少した場合、人々はこれらの球根を掘り出して食用にしたという。近年は球根が園芸店で出回り、自宅でそのあでやかな花を眺めて楽しむだけでなく、球根を収穫し、お正月料理のきんとんにして滋味を楽しむことができる。