オランダイチゴとは、果実的野菜の異種である。ふつう「イチゴ」の名称で流通する。 画像出典:自宅近くの園芸店にて筆者撮影 科名:バラ科オランダイチゴ属 学名: Fragaria grandiflora 原産地:ヨーロッパ 生態:多年草 果実的野菜として栽培される多年草で、北アメリカ東部のバージニアイチゴ(Fragaria virginiana)と南北アメリカ西部のチリいちご(Fragaria chiloensis)の自然交雑種をもとに改良された園芸品種であるという。わが国には幕末期にオランダから渡来した。本種の最古の記録は「本草図譜」で、栽植された図版と共に解説がみられる。 葉は卵型の三出複葉で、裏側には白くやわらかい毛が生えている。根元からツルのようなものを伸ばす。このツルのようなものが「ランナー」と呼ばれるもので、そこから出たわき芽を成長させたものが、「苗」として流通するものである。これがもっとも確実な生殖方法である。 4月から五月にかけて、白い花を咲かせ、5月から6月にかけて、紡錘形の「果実」をつける。「果実」と呼称されるのは正確には「花托」と呼ばれる部分が成長したもので、表面のゴマ粒状のしばしば「タネ」と呼ばれる部分が真の果実である。この種子状の部分を土に植えて、新品種の苗を作る。 「果実」は生食されるほか、ケーキなど菓子のトッピングや、ジャムなどにされる。