オオベニミカンとは、柑橘類の一種である。 画像出典:筆者の蔵書『APG牧野植物図鑑 Ⅱ』(北隆館)より抜粋 科名:ミカン科ミカン属 学名:Citrus tangerina 原産地:中国南部 生態:常緑低木 別名:タンジェリン 中国南部に多く栽植され、わが国でも和歌山県や四国地方、九州地方、沖縄県などで僅少ながらも栽培され、その中でも現在、特に栽培量が多いのは奄美大島である。 樹高は4mほどで、枝葉が多いのが特徴である。若い枝は角張っており、棘がないので柑橘類の中では手入れがしやすい。葉は長さ8㎝程で、柄にはほとんど翼がない。 初夏に、直径2cmほどの5枚の花弁からなる白い花を単性して咲かせる。果実はベニミカンに似て果皮色が赤みの強い橙色であるが、本種の果実の大きさはより大ぶりで、形状もやゝ扁平で、直径は8㎝である。果皮は容易に手で向くことができ、果肉は甘酸っぱい風味があって生食やジュースにする。味は薄いが、香りが強い。 現在の柑橘類の交配や品種開発を行う際の重要な親品種である。英語圏ではDancy tangerineの名称で知られる。