イラクサ のバックアップ(No.3)

イラクサとは、有用植物の一種であるが、有毒植物の一種でもある。
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画像出典:筆者撮影(赤塚植物園)


科名:イラクサ科イラクサ属
学名:Urtica thunbergiana
原産地:日本
生態:多年草


草丈は30㎝~50㎝ほどで、青シソに似た形状の葉をつけ、茎は四角い形状である。
植物体全体に棘があって、この棘に毒がある。
素手でこの植物に触れると、ガラス質の微細なとげが刺さり、それと同時に棘の先端が壊れて中からヒスタミンなどの成分が血中に放出され、強い痛みを覚える。死亡例はないが、とんでもない激痛を伴うため、好奇心で触ってみることは絶対に避けるべきである。和名のイタイタグサ(痛々草)はこの植物の症状を如実に表していると言えよう。
もし誤って触れてしまった場合は、まず傷口をよく洗い、清潔なタオルで拭いてからガムテープで刺さっている棘を抜く。そうして、患部を冷却する。この時、あるいは暫く経ってから呼吸困難などのアレルギー症状が出たらすぐに病院に行く。アレルギー症状がない場合は、傷を適度に冷却し、また高温でシャワーを浴びることを控える。また傷が治ってくるにしたがってだんだんかゆくなってくるが、決して患部をかきむしってはいけない。
対処療法としてアロエの葉の汁を患部に塗ることがあるが、体質によってはアロエも皮膚のかぶれを引き起こすことがあり、傷口を余計悪化させる可能性があるためお勧めしない。
中国ではイラクサを蕁麻(じんま)と呼び、蕁麻疹はイラクサに触ってひどい炎症を起こした様子をその症状にたとえた。
ニュージーランドには現地語で「オンガオンガ」と呼ばれる品種があり、こちらは我が国のイラクサの3倍以上の草丈で、棘も鋭くなっている。ただかすめただけでとんでもない激痛が走り、過去にはこの植物によるアナフィラキシーショックを起こして死んだ例もある。

近縁種 Edit

上段ではイラクサの危険な面を取り上げたが、イラクサも若い芽であれば、棘を落としてゆでてから食用にすることができる。以下に挙げる品種は有用植物として名高いイラクサの近縁種である。
ただし、いずれも葉に棘はあるため、面倒がらずに包丁で棘をそぎ落とすという適切な調理方法を心掛けよう。

セイヨウイラクサ Edit

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画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影
セイヨウイラクサ(イラクサ科イラクサ属、Urtica dioica)は近年、健康食品として知名度が高まっている。「ネトル」の名称で知られ、欧米では棘をそぎ落としたのち青菜の一種としてスープやピュレにするほか、葉を乾燥させてお茶として飲む。花粉症持ちの人に特に効果があるという。

ミヤマイラクサ Edit

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画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影
ミヤマイラクサ(イラクサ科ムカゴイラクサ属、Laportea cuspidata)は我が国では古くから若い芽が「あいこ」と呼ばれ、山菜として利用されてきた。さっと湯がいててんぷらやあえ物、炒め物や汁の実にする。採取する際は、素手で触らないように刺毛を通さない手袋やナイフ等を用意するとよい。とげが刺さった時の症状は一番軽い(一時間以内にかゆみが引く)ものの、油断は禁物。

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