アケビは、野山に生息する蔓性の樹木。秋に紫色の果実を食用にする。 画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Akebia_quinata_SZ77.png#mw-jump-to-license(シーボルト著「日本植物志」に記載されたアケビの図。図はシーボルトのアシスタント・川原慶賀(1785~不詳)によるもの)
山野に生え、茎は蔓となって他のものに絡みつくようにして成長する。 葉は、短い柄を持つ楕円形の小葉が5枚集まってつく奇数掌状複葉で、長い葉柄をつけて蔓(茎)に互生する。 春になると雌雄同株、雌雄異花の花を咲かせる。現在は本種を自宅で栽培することも可能になっているが、以上の性質から、2本以上植えないと実がつきにくい。 9月から10月には食用となる果実を実らせる。果肉は果物として生食される。分厚い果皮は果肉を取り去った後切り刻んで味の強い食材と一緒に炒め物にする他、内部に肉や野菜などを詰めて、衣をつけてフリッターのように揚げて食べる。加熱することで、果皮の独特の苦味が飛ぶ。早春の若い芽もお浸しなどにして食べることができる。「木の芽」といえば普通はサンショウを指すが、本種の芽を指すこともある。 また、蔓を乾燥させて編んでバスケットなどの民芸品を作るほか、木質化した茎を乾燥させたものは「木通」という名で漢方薬の原料となり、利尿作用、抗炎症作用、通乳作用がある。