アイ(藍)は、染料植物の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:タデ科イヌタデ属 学名:Persicaria tinctoria 原産地:東南アジア 生態:一年草 中国東部、朝鮮半島、日本列島中央部において古い時代より、青色の染料として栽培・利用されてきた。茎は60㎝~90㎝内外に達し、分岐する。葉は笹のような形状で、互生する。葉からとれる黒を含んだ青色の液体を染料とし、衣服や絵画の素材に用いた。最古の使用例は飛鳥時代にまでさかのぼり、江戸時代には徳島県での栽培が盛んであったという。藍染めされた布は火に強く、また虫食いの害を受けにくいので、下着や制服に用いられた。また、染料だけでなく薬用植物としての利用もあり、乾燥させた葉を解熱剤や殺菌に用いていた。また、毒虫や毒蛇にかまれた際の応急処置にも用いられたという。かつては若い葉を刺身のつまにすることもあり、現在は健康食品としての利用法が研究されている。