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トウガラシ のバックアップ(No.27)
トウガラシは、香辛料並びに野菜の一種。
概要
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| 品種 | スコヴィル値 |
| ピーマン・ししとう*2 | 0SHU |
| 鷹の爪、三鷹唐辛子 | 約40,000〜50,000SHU |
| 韓国唐辛子 | 約20,000〜50,000SHU |
| タバスコペッパー | 約50,000SHU |
| ハラペーニョ | 約12,500SHU |
| ハバネロ | 約100,000~350,000SHU |
| ブート・ジョロキア | 約1,000,000SHU |
| キャロライナリーパー | 約3,000,000SHU |
画像出典:東京薬科大学薬用植物園にて筆者撮影。かつてハバネロは「世界一辛いトウガラシ」の称号を持っていた。スナック菓子「暴君ハバネロ」*3で一気に知名度を上げた品種である。厳密には、「カプシクム・シネンセ」という同属の別種である。くしゃっとした球形という独特の形状を活かして、現在は観賞用としても流通している。
画像出典:東京薬科大学薬用植物園にて筆者撮影。ハバネロの記録を塗り替え、スナック菓子「大魔王ジョロキア」*4でその名を知らしめた激辛トウガラシのブート・ジョロキア。くしゃっとした勾玉のような形状が特徴である。
画像出典:夢の島熱帯植物館にて撮影。タバスコ。パスタやピザのおともに必携の調味料・タバスコの原料。
画像出典:東京薬科大学薬用植物園にて筆者撮影。キャロライナリーパー。ブート・ジョロキアの記録を塗り替えた辛さを持つ、「激辛」というワードが霞むほどの辛さを持つ。ネームプレートの中国名に「死神」と記されているように、度胸試しでこの果実をぼりぼり食べようものなら辛さで悶絶、そのままあの世行きとなる。怖いねぇ…
果実の形状はたいてい紡錘形だが、サクランボを思わせるような小さな球形になるものや、ピーマンのように菊座型になるものがある。小さな球形になる品種は香辛料としてはもちろん、秋になると枝付きのものが観賞用として花屋で出回ることがある。菊座型の品種は、わが国の伝統的な品種に新潟県で栽培される「かぐらなんばん(「おにごしょう」という名称でも呼ばれ、これはくしゃっとした形状が鬼の面を思わせることから)」や長野県で栽培される「ひしの南蛮」「ぼたんこしょう」などがある。これらは果肉はピーマンのように甘みがあって野菜として食べることができるが、種子の周り(胎座)が辛味を持っている。
トウガラシの近縁種の中には香辛料として利用する他、辛味がないため野菜として食べるものや、見た目が美しいため、観賞用にするものもある。
以下に、トウガラシの近縁種を数点紹介する。なお、ピーマン、シシトウガラシ、キダチトウガラシについての詳細は独立項目に譲ることとした。
画像出典:東京薬科大学薬用植物園にて筆者撮影
果実は細長く長さ10~20cmになり、垂れ下がって実る。辛味の程度も色々あり、日光トウガラシ、伏見トウガラシ、ハオリノヒモ、見廻しトウガラシなど多くの栽培品種を含む。これの一品種である万願寺とうがらしは京野菜の一種で、明治期に伏見とうがらしとピーマンの一品種「カリフォルニアワンダー」が自然交雑し、品質が固定された品種である。
画像出典:大船フラワーセンターにて筆者撮影
奈良県で古くから栽培されてきた品種で、日に当たると果実の色がナスのように黒光りした紫色になるのが特徴である。日が当たらない部分はくすんだ薄い黄緑色になるが、日に数日当てれば品種の特性が出る。果実は熟すと濃い朱色に変色する。いわゆる「甘唐辛子」の一種で、シシトウのように辛味がほぼ出ない*5ので野菜として利用できる。加熱するとくすんだ黄緑色になるが、熟したものは加熱しても変色しない。写真のように果実が上向きに実るものと下向きに実るものがあるが、いずれも性質や風味に差異はない。
画像出典:東京薬科大学薬用植物園にて筆者撮影
調味用,乾果用のトウガラシで辛味が強い。果実は長さ6~7cm。鮮紅色で上向き,房状に着果する。東京都内藤区で江戸時代から栽培されていた歴史ある品種で、果実の実る様子からテンジクマモリもしくはテンジョウマモリとも呼ばれる。
画像出典:福岡市植物園にて筆者撮影。「コニカルオレンジ」と「コニカルレッド」という品種が混植されている。(右)「ブラックパール」という品種。東京都薬用植物園にて撮影
観賞用のトウガラシで、背丈は食用のトウガラシより小さい矮性で、鉢植えにしたものが夏から秋にフラワーショップやホームセンターなどで出回る。
果実の大きさや色、形も千差万別で、赤色や紫色、オレンジ色や黄色、白色の果実が混合されている品種が最も多く栽培される。
近年は「ブラックパール」という、果実だけでなく葉も黒っぽい品種も人気。こちらの未熟果は熟すと濃い朱色になり、黒紫色と朱色のコントラストが美しい。
東南アジアでは観賞用というよりむしろ香辛料としての利用が多く、まさに「ゴシキトウガラシは小粒でもビリリと辛い」のである。
画像出典:東京薬科大学薬用植物園にて筆者撮影
メキシコなどのスペイン語圏の国々で利用される品種で、辛さは中程度。ピーマンのように肉厚な未熟果の種子を抜いて食材を詰め、油で揚げるフリッターがアメリカでは好まれる。また、辛みを生かして刻んだものをサルサソースに混ぜる。
同じくスペイン語圏の国々で利用される「パドロン」はシシトウガラシをやや大きくしたような見た目で、鮮やかな黄色身を帯びた緑色である。「ポブラノ」という品種はより肉厚で、果実の色は黒緑色である。
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