カブ のバックアップ(No.25)

カブ(蕪、蕪靑)は、食用として栽培される作物の一種である。
葉や根を野菜として食用にする。

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画像出典:(左1)自宅にて筆者撮影。筆者弟が学校の菜園で収穫し持ち帰ったもの。(右1)東京都薬用植物園にて筆者撮影。トウ立ちした「小カブ」の系統。(左2)赤カブ。自宅近くの農産物直売所にて筆者撮影。(右2)日野菜カブ。根の長さは30㎝に達することも。東武百貨店池袋店にて筆者撮影。(左3)黄カブ。東武百貨店池袋店にて筆者撮影。(右3)聖護院カブ。東武百貨店池袋店にて筆者撮影。葉に栄養分がすべて持っていかれるため、流通に乗る際は葉を切り落とす


科名:アブラナ科アブラナ属
学名:Brassica rapa var. rapa
原産地:中近東
生態:一年草


 我が国への正式な渡来時期は不明だが、「古事記」にはすでに記述が見られる。やがて江戸時代には日本全土で栽培されており、明治期になって欧米の品種が導入されたさいにも、日本の在来種ならびにその改良品種が好まれ、こんにちまで残っている。
葉はヘラ型で、春になるとアブラナ科に特有の十字型の花(黄色)を咲かせる。球形の食用にされる部分は、植物学上は胚軸と呼ばれる。茎が変化したもので、本当の意味での根はその下部のひげのようなものである。
大きさによって「大カブ」「中カブ」「小カブ」と呼ばれ、現在もっとも栽培されているのは小カブの系統で、大阪で古くから栽培されている天王寺蕪等がそれである。
聖護院かぶは大カブの代表品種で、商業的な栽培はかつてに比べると減少しているが、現在はF1化させて耐病性を持たせたものもあり、優しい風味も合間って今なお人気である。京都では今でも千枚漬けに欠かせない。最近は葉を切り落として保存性を持たせたうえで、関東の百貨店でも年末に出回るようになっている。
 根がダイコンのように細長くなる品種もあり、岩手の暮坪カブや滋賀県の日野菜、島根県の津田カブなどがある。日野菜や津田カブは根元が赤紫色に色づくが、日野菜は地中にまっすぐに根が伸びていくのに対し、津田カブは勾玉型である。暮坪カブにいたっては、根もとが薄い黄緑色(この部分が日に当たって変色するため)で、一見すると小さなダイコンかと見まがう見た目である。
根を汁物や煮物にすることが多い。表皮が赤い品種は表皮の色が煮汁に滲み出て見た目が悪くなるので、煮物や汁物にはあまり利用されず、もっぱら漬け物やサラダにする。現在人気がある「もものすけ」という品種は、手で皮がむけるほど柔らかく、サラダにすると名前の通り、桃のように甘いという。
 葉も青菜として漬物や汁の実、炒め物にして食べることができる。実際、野沢菜はカブの変種で、葉が発達したものである。
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画像出典:筆者の蔵書「原色図説植物大辞典」(1938年)より抜粋。当時栽培されていたカブの様々な品種を図解してある。

近似種 Edit

スグキナBrassica rapa var.neosuguki) Edit

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画像出典:(左)池袋の百貨店にて撮影。(右)自宅近くの農産物直売所にて撮影
 古くから京都上賀茂地域で栽培されてきた「京野菜」の一種で、江戸時代まで栽培されていた原種は現在は絶滅ししてしまっており、現在栽培されているものは、明治後期に原種が普通のカブと交雑したものの形質が栽培を重ねるにつれ、固定化したものである。よって、牧野富太郎博士によりvar.neosugukiの種小名が献名されるに至った。
 根は白色で、倒円錐状となり、ダイコンをずんぐりむっくりにしたような見た目である。葉は深緑色で、長さは30㎝。根や葉を漬物や煮物にする。特に葉を根ごと漬け込み、乳酸発酵させた漬物は京都の特産品として名高い。

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