芋粥(芥川龍之介の小説) のバックアップ(No.2)
芋粥は、芥川龍之介による作品である。1916年9月に雑誌『新小説』で発表された。『宇治拾遺物語』巻26第17話に収録されている「利仁の将軍若き時京より敦賀に五位を 登場人物
ストーリー
時は平安の元慶の末から仁和のころ、摂政の藤原基経に仕える某という五位に属する侍がいた。彼はお世辞にも色男とは言えず、おまけに出世もできないため、同僚や上役からは冷淡な態度をとられ、特に同僚からは明らかにひどいいじめを受けながらも、「いけぬのう、お身たちは。」と優しくたしなめることしかできなかった。また、子供たちが犬をいじめているのを目撃した時も優しく注意したが、「いらぬ世話など焼かれとうない。なんじゃ、この赤鼻めが」と食って掛かられる始末であった。 教訓
人間はだれでも、欲望の一つや二つは持ち合わせている。五位の場合、ささやかながらも「芋粥を満足するまで飲みたい」という欲望を持っていた。しかし、欲望というものは満たされた時が一番価値のあるものだと考えがちだが、実際はそうではない。それが達成された瞬間から、その欲望に幻滅し、自身の中で価値が色あせていくのだ。欲望を抱くことは、それによって有意義な人生を送るために必要ではあるのだが、実際は、達成されることでその欲望が失われてしまう恐怖や葛藤と常に隣りあわせなのである。 コメント
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