柑橘類は、植物群の総称である。
「柑橘類」というと、ミカン科の植物の中でもミカン属の植物の種類を総称して呼称する用語である。例えば、同じミカン科でもサンショウやスキミアの類は含まない。ただし、キンカン属のキンカンの類や、カラタチ属の類は用途が近いためか、便宜上柑橘類の類に含む。 常緑低木で、実生から成長するのに最低でも十年はかかり、「柚子の大馬鹿十八年」ということわざがあるほどである。 苗木を植えてから3年ほどで果実が付くようにはなるが、このころの果実はそれほど質はよくない。ただ、ほかの果樹と比較して寿命は長く、山口県のナツミカンの古木など、各地に江戸時代からの古木が各地に残っているほどである。しかし、隔年で欠果するため、実がよく成った枝や木は翌年はなりにくい傾向にあり、実がなりすぎると、それぞれの果実に養分が回りきらずに小さくなるため、夏から秋にかけて摘果が必要になる。 多くの柑橘類は果物として生食が可能だが、レモンやユズなど、熟しても果汁の酸味が強いため生食するのに向かない品種がある。これらは「香酸柑橘」と呼ばれ、果汁を料理の風味づけに用いるほか、果実を食べやすい大きさに切ってから砂糖漬けにする。 食用にはあまり向かない品種もあり、マメキンカン(一名金豆(きんず)。果実がかなり小さい。盆栽に用いる)やタチバナ(もっぱら観賞用だが、果汁を酢の代わりに使うことがある)、ブッシュカン(果実を生け花に用いる。一応、果実を砂糖漬けにして食べることはできる)などがそれである。