ルッコラとは、野菜の一種である。 画像出典:大学の庭園で撮影 科名:アブラナ科キバナスズシロ属 学名:Eruca vesicaria subsp. sativa 原産地:地中海沿岸 生態:一年草 別名:ロケットサラダ 英名:Arugula,Rocket salad 地中海沿岸が原産の一年草で、わが国への正式な渡来時期はわかっていないものの、牧野富太郎のライバルにあたる村越三千男(1871~1948)の著書『内外植物原色大図鑑』(1935年)には「キバナスズシロ」という和名で収録されていることから、そのころにはすでに渡来し、栽培されていたようである。とはいえ、同書には食用としての利用の解説はなく、「庭園にて栽植し観賞用に供す」という記述のみがみられることから、現代でいうところのグラウンドカバー的に植えられていて、野菜としては顧みられていなかったものと思われる。 草丈は20㎝から100㎝で、葉は長い柄を持つ楕円形であるが、羽状に深裂したり、不規則な波状になったりと一定ではない。概して言えば、大根の葉を小さくしたような形状である。春に散房花序を出して、薄いクリーム色に紫色の縞模様が入る十字型の花を咲かせる。和名の「キバナ」という特徴にはやや当てはまらないように思われるが、これは野生品の花が鮮やかな黄色であったことに由来する。 葉は胡麻を思わせるような香りとピリッとした軽やかな辛味がある。子の風味は加熱すると弱まってしまうため、普通サラダやカルパッチョなど、なるべく生で食すことができるような調理法が向いている。また、おひたしや炒め物に使われるが、なるべく加熱しすぎないのがコツ。