ライムギは、穀物の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:イネ科ライムギ属 学名: Secale cerale 原産地:ヨーロッパ南部~西アジア 生態:越年草 南ヨーロッパから西南アジアが原産の越年草である。わが国へは明治初期にイギリスから渡来し、現在は各地で栽培される。わが国では栽培種が逸出し、帰化している事例も存在するという。 茎は束生し、曲がった基部から直立し、草丈は1mほどである。晩春に花を咲かせ、初夏に穎果を実らせる。 穎果は脱穀したのち黒パンに加工し、茎は帽子などのわら細工にする。種実にはバッカクキンが寄生し、この菌が寄生した種実は「麦角」と呼ばれ、幻覚や皮膚の壊死を引き起こす凶悪なカビ毒の一種でもあるが、あえてこの菌を寄生させ、薬効成分となるエルゴタミンを抽出して片頭痛の薬に用いることもある。