モロヘイヤとは、野菜の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:アオイ科ツナソ属 学名:Corchorus olitoruis L. 原産地:中近東 生態:一年草 中近東が原産の一年草で、わが国への渡来時期は不明なものの、昭和末期に野菜としての利用が爆発的に広まり、現在は青菜の出回りが少なくなる夏場に多く出回り、普段使いの野菜として流通するほか、家庭菜園でも栽培される。 草丈は1.5mで、先端はしば/\枝分かれする。葉は長楕円形で、縁には密に鋭い鋸歯があり、先端がとがって茎に互生する。また、表面はやゝざらつく。葉の付け根には糸のような托葉がある。 夏から秋にかけて葉腋に直径1cm未満の黄色い5枚の花弁からなる花を咲かせ、花の後に細長い蒴果をつける。細長い蒴果は熟すと割れて種子を散布し、また性質も強じんなので沖縄では野生化している例も知られる。 葉は野菜として利用され、包丁で刻んで叩くとオクラのようなぬめりが出る。しばしば汁物の具や炒め物にする。エジプトでは「王様の野菜」という意味の名称で呼ばれ、古くから栽培されてきた。 健康野菜としてもてはやされるモロヘイヤだが、種子は決して食用にしてはならない。種子にはストロフェチジンという強心配糖体が含まれ、多量に食すとうっ血性新布陣を引き起こし、ひどい場合は死ぬこともあるという。 とはいえ、流通するモロヘイヤには種子や果実が含まれないし、家庭菜園でモロヘイヤを栽培する場合、種子をペットや小さな子供の手の届かないところにおいておけばまず心配はない。