ムラサキ(紫)とは、染料植物の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:ムラサキ科ムラサキ属 学名:Lithospermum erythrorhizon Siebold et Zucc. 原産地:東アジア 生態:多年草 我が国の北海道から九州にかけて、また朝鮮半島や中国、アムールに分布する多年草で、産地の草原の傾斜地に生えるほか、畑に栽培される多年草である。 草丈は30㎝から60cmであり、茎や葉には粗い毛があってざらつく。葉は長さ3cmから7cmである。 初夏に白色の合弁花を咲かせ、直径は4㎜から10㎜で高盆状である。太い根は染料の紫を取り、染め物に用いる。また漢方では「紫根」と呼ばれ、それから作られる「紫雲膏」は痔ややけどの薬として有名であった。かつては武蔵地方(東京都、埼玉県、神奈川県)によく生息している野草だったが、染料目当てや観賞用目当ての乱獲で数を減らし、現在は各地の植物園で栽培されることが多くなっている。