フヨウ(芙蓉)とは、花木の一種である。 画像出典:夢の島熱帯植物環境館にて筆者撮影 科名:アオイ科フヨウ属 学名:Hibiscus mutabilis L. 原産地:中国 生態:落葉低木 中国が原産の落葉低木で、我が国には古い時代に渡来して園芸植物として栽培されてきたが、温暖な地域では野生化している例も知られている。わが国のような温帯地域では冬には落葉して、熱帯・亜熱帯地域においては常緑である。 樹高は1.5m~3mほどとなり、葉や幹に至るまで白い星状毛が密生している。幹は白色を帯びる褐色ですべすべしており、叢生する。若枝は緑色、星状毛と腺毛がある。 葉は長い柄があって互生し、長さ10~20㎝の五角状卵円形、掌状に浅く3~7裂し、裂片の先が尖り、基部はハート形となる。 夏から秋にかけて、枝先に花を咲かせる。花は直径10㎝から14㎝程である。花の咲き方は一重咲きと八重咲のものがあり、一重咲きのものは5枚の花弁からなり、花弁の色は白色~紅紫色である。朝に開き、夕方にはしぼむ「一日花」の一つである。
画像出典:自宅近くにて筆者撮影。同日の午前中と夕方にそれぞれ撮影したものである。 庭園や温室にて栽培される花木で、フヨウの園芸品種というべきものである。 樹形や葉の形、樹高などはフヨウとほぼ同じであるが、開花時期は晩夏から秋と、フヨウよりやや遅い。花は直径7㎝から8㎝で毎日次々と開き、1日でしぼむ。朝に先始めた時は純白だが、午後にはピンク色となり、夜にはしぼんで紅色となる。 これが、お酒を飲んで酔っ払った人の顔色が変わる様子を思わせることから「酔芙蓉(スイフヨウ)」の名前がつけられた。また、花の色の移り代わりの様子から「七変化」とも呼ばれる。