ビワは、果樹の一種である。 画像出典:いずれも四ツ谷にて撮影 科名:バラ科ビワ属 学名:Eriobotrya japonica 原産地:中国 生態:常緑高木 中国が原産であると推測される常緑高木で、わが国には奈良時代にはすでにあったようで、九州にはウメと共に野生品がみられる。 樹高は6m~10mになり、広倒披針形から狭倒卵形の葉は表面に浅い凹凸と艶があって互生し、枝がよく茂る。晩秋から冬にかけて枝先に円錐花序をつけ、芳香のある白い花を咲かせる。5月から6月にかけて鶏卵型の表面にモモのような産毛があるナシ状果を実らせ、種子はナシ状果の中でも大きく、可食部となる果肉部は3割ほどである。果実色は最初は緑色だが、熟すにつれて黄色みの強い橙色となる。 果実は果物として生食あるいはジャムにされ、さっぱりとした甘みがある。日持ちしないので、購入してから2、3日で食するのが望ましい。葉や種子は、かつて咳止めの特効薬とされた。 果物として親しまれるビワだが、未熟果や種子にはアミグダリンという青酸配糖体が含まれる。症状は生の青梅を食べた時のそれとよく似ているため、よく熟した果実を選ぶほか、勢い余って種子まで食べてしまわないように気を付ける。 なお、古くは「ビワを植えると家が貧乏になる」という言い伝えがあったが、これはとんでもない迷信で、鬱蒼と茂るビワの木が日陰を作るため、そうした曲解がなされたのだろう。