ビリンビ(Bilimbi)とは、熱帯果樹の一種である。 画像出典:筑波実験植物園にて撮影 科名:カタバミ科ゴレンシ属 学名:Averrhoa Bilimbi 原産地:モルッカ諸島 生態:常緑小高木 モルッカ諸島が原産の常緑小高木で、わが国では植物園の温室で栽培される。現在は各地の熱帯地域で栽培される。 樹高は10mほどに達する。葉は奇数羽状複葉で、互生し全体の長さは34㎝~54㎝である。これを構成する21枚~35枚の小葉は先端のとがる楕円形で、互生あるいはほとんど対生し、鮮やかな緑色で全長5㎝~10㎝である。これゆえ、和名の「ナガバノゴレンシ(長葉の五匳子)」葉柄や葉の裏側に褐色の毛を持つ。 樹幹や大枝に15㎝内外の花序をつけ、紫色(時に白斑を生じる)の芳香ある花を咲かせる。花の後には複数の果実をまとまった状態で実らせる。果実は楕円形で当初は黄緑色だが、熟すと透明感が出てくる。外観は小型のキュウリに似て5つの稜を持つが、同属のゴレンシと比べるとかなり不明瞭で、場合によってはこの稜がほぼ見られないこともあるという。種子は扁平で、果実の中に多数入っている。 一般的にかなり酸味が強いので、生食はしない。その酸味を生かして漬物や肉・魚料理の付け合わせ、カレーの材料として用いる。また、食用以外にも金属製の道具の錆取りにも用いる。