ビャクダン(白檀)とは、香木の一種である。 画像出典:板橋区立熱帯環境植物館にて撮影 科名:ビャクダン科ビャクダン属 学名:Santalum album 原産地:インド 生態:常緑小高木 インドや東南アジアが原産の常緑小高木で、幹は直立し、樹高は10mほどになる。樹皮は赤褐色で、葉は楕円形で対生する。5月になると、赤色の5枚の花弁からなる小さい花を咲かせる。わが国には古い時代に中国から渡来し、加工品が珍重されてきた。 あまり知られていないが、実は半寄生植物で、タケ類やヤシ類などの樹木に寄生する。筆者が撮影したビャクダンは、園の職員がトクサバモクマオウ(木賊葉木麻黄。葉が松のように細い。原始的な被子植物といわれる)に寄生させていた。種子が芽生えてしばらくは自力で育つが、やがて寄主になる樹木を見つけて根から養分をとるようになる。しかし、半寄生植物であるため、葉緑素を持ち、自らも光合成をする。この性質は、わが国の山野に生息する同じ科のツクバネも持ち合わせている。 「白檀」の名称は、心材が白色であることから。この心材に含まれる精油は芳香があり、古くから香や彫刻などの置物に利用されてきた。現在は扇子の骨やお線香の原料にもされる。乱獲が相次いだことで現在は世界的に絶滅危惧種に指定されている。また、雌雄異株であることと宿主となる植物が近くにないと生息しないことから、栽培は非常に困難である。そのため、原産地のインドでは政府によって伐採制限・輸出規制が掛けられている。 ことわざの「栴檀は双葉より芳し」の「栴檀」は本種、いわゆるビャクダンのことでセンダン(センダン科)ではない。