ニラは、香辛野菜の一種である。 画像出典:筆者が赤塚植物園にて撮影 科名:ネギ科ネギ属 学名:Allium tuberosum 原産地;温帯 生態:多年草 旧大陸の温帯に分布する多年草で、わが国では古代からすでに存在が知られていた。古事記には『古事記』では「加美良(かみら)」、『万葉集』では「久々美良(くくみら)」、『正倉院文書』には「彌良(みら)」の名称で登場するが、おそらく中国で「味辣(ミラ)」と呼ばれていたものが転訛したのであろう。独特のにおいを持つ葉を食用にするため畑で栽培するが、生育力が強く、こぼれ種で殖えて畑から逸脱し、野生化することもある。鱗茎は短い根茎が数珠つなぎになり、外側にうろこ状の葉が残った繊維に包まれている。葉は2列に並び、幅は4㎜で扁平、先細りになる。夏に高さ30㎝ほどの花茎を出し、散形花序の花を咲かせる。 近年は軟白栽培した黄ニラやつぼみを食用とする花ニラ*1、ネギとの交配種である「なかみどり」など、食文化の広まりにより新しい品種が導入されている。