ナツグミとは、果樹の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:グミ科グミ属 学名:Elaeagnus multiflora THUNB. 原産地:日本 生態:落葉低木 北海道~九州の山地にかけて生息する落葉低木で、現在は果実を観賞するため庭園に植えられる。 樹高は2mから4mほどで、枝は赤みを帯びた明るい褐色である。葉は広楕円形から広卵形で、枝に互生する。葉の表面は緑色で、裏面には灰白色の鱗状毛が密生する。初夏に花を咲かせ、花は小さく芳香があって、内面は淡い黄色、外面は光沢のある銀白色である。花弁のように見える部分は、がく片が4つに裂けたものである。 初夏に果実を実らせ、夏に熟す。ここから「夏茱萸(ナツグミ)」の名称がある。果実は直径2cmほどの楕円形でつやがあり、表面に白い細かな斑点があって当初は黄緑色ないしは褐色を帯びた緑色だが、熟すと鮮やかな赤に変色する。果実は甘みと若干の渋みがあって生食されるほか、ジャムや果実酒にする。古くは山村の子供のおやつとして親しまれた。また、材は硬くて強度があるので、農具の柄や大工道具の柄にする。
写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市)http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/gumi.html 本州、近畿地方以北から北海道南部に分布している落葉低木で、かつては外来種と考えられていたことから「唐茱萸」の名前が付けられていたが、在来種である。樹高は2mから4mほどで、枝や幹は黒みを帯びた褐色である。ナツグミとよく似ているが、前述の樹皮色や葉幅がやゝ狭く、葉の裏に星状の毛がある点で区別する。 果実は俵型で、表面に白い細かな斑点があって当初は黄緑色ないしは褐色を帯びた緑色だが、熟すと鮮やかな赤に変色する。甘みと若干の渋みがあって生食やジャムにする。
写真撮影:青木繁伸(群馬県前橋市)http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/BotanicalGarden/HTMLs/bikkuri-gumi.html トウグミの園芸品種で、果実が幾分大きくなるのが特徴である。枝に棘がないのも特徴で、果実も渋みがほとんどなく、甘みが強いので家庭果樹として人気の高い種である。「ビックリグミ」という別名でも知られる。