タマリンドとは、果物の一種である。 画像出典:村越三千男著『内外植物原色大図鑑』より抜粋。 科名:マメ科タマリンド属 学名:Tamarindus indica 原産地:熱帯アフリカ 生態:常緑高木 別名:チョウセンモダマ、羅望子(らぼうし) 熱帯アフリカが原産の常緑高木で、わが国では江戸後期の植物図鑑『本草図譜』(岩崎常正著)に収録された図版と解説がみられるのが最古である。現在は、大型スーパーや外国の食材を扱う専門店で販売される。 樹高は25mほどで、4月から5月に淡い黄色の花を咲かせ、花には赤い筋のような模様が入るのが特徴である。 果実はソラマメの莢を大きくしたような形状で、莢は分厚く、やや紫色がかった色合いである。果実の長さは7㎝から20㎝で、熟すと紙のように破れる。 果肉には酸味があり、果物として生殖するほか、カレーやピクルス、ジャムや舐めみその原料にする。ジュースの原料にもなる。 インドでの利用が盛んで、東南アジアや西アフリカでも料理に欠かせない食材である。さしずめ、わが国でいうところの大豆と同じ立ち位置である。 わが国では、意外なところに原料として利用されている。それは、桃屋の『ごはんですよ!』などの海苔の佃煮シリーズである。もともと、海苔の佃煮は固さがあり、子供やお年寄りにはやや食べにくい代物であった。 海苔の佃煮を老若男女誰でもが食べやすいペースト状にするのに、わが国にはなかなかふさわしい食材が見つからなかったが、ペースト状にする際、増粘剤として重要な役割を果たしたのが、本種の果肉である。