シャクとは、山菜の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:セリ科シャク属 学名:Anthriscus sylvestris 原産地:ユーラシア大陸 生態:多年草 我が国をはじめ、ユーラシア大陸の中北部に分布し、平地から山地の湿気の多い場所に生息する。 草丈は70㎝から120㎝程になり、茎は直立してよく分岐し、中空で柔らかい。葉は茎に互生し、二回三出複葉で、細かく裂けてニンジンのそれを思わせるような見た目をしている。また、香りもニンジンの葉のそれによく似た香りである。 初夏に茎の頂点に複散花序を出し、小さな白い花が傘状に集まって咲く。花は5枚の花弁からなり、外側の2枚の花弁が大きくなるのが特徴である。夏に円柱形の蒴果をつけ、黒く熟す。 葉は「山ニンジン」の愛称で山菜として食用になり、てんぷらやおひたし、さっとゆでてサラダにする。英語圏では香草である同属のチャービルに似ているため、Wild chervilの名称で呼ばれる。 ただし、採取する際には見た目が非常によく似たドクニンジンという死亡例すらある猛毒な植物に注意するべきである。本種とドクニンジンとは、以下の点で区別する。