シキミとは、有毒植物の一種である。 画像出典:神代植物公園にて筆者撮影 科名:マツブサ科シキミ属 学名:Illicium anisatum L. 原産地:東アジア 原産地:常緑小高木 東北地方から沖縄県、朝鮮半島や台湾、中国の暖帯地域にかけて生息する常緑小高木である。普通山野に自生するが、お墓の周りに植えることもある。 樹高は3mから5mで、枝が上から見ると車輪状に分岐している。葉は枝に互生し、長さは4㎝から11㎝の楕円形で独特の香りと光沢がある。この香りを生かして、枝からは抹香、樹皮からはお線香を作って仏前に供える。 早春に薄い黄色の花を咲かせる。花の後には歯車のような形状の袋果をつけ、熟すと割れて種子を露出する。この果実が猛毒で、過去には同属のスパイスであるトウシキミと誤って流通し、中毒を引き起こした実例があるほか、ばらばらになった袋果が椎の実と誤解され、パンケーキにして食べたボーイスカウトの集団が食中毒を経験した例がある。 特に、トウシキミとは果実の形状がよく似ているので区別が難しいのだが、シキミの袋果の先端が鉤状にとがるのに対し、トウシキミは真っ直ぐとがるので、この特徴を覚えておけば誤食は防ぐことができる。また、シキミは抹香の原料となることもあってか香りは必ずしも良いものとは言えないが、トウシキミの果実は甘い香りを発しているので、その点でも区別できる。ただ、果実の大きさではあまり区別しない方がいい。生育状況によっては果実の大きさが小さめになってしまうこともあるためだ。