ササゲは、豆の一種である。 画像出典:https://botanic.jp/plants-sa/sasage.htm 科名:マメ科ササゲ属 学名:Vigna unguiculata 原産地:エチオピア 生態:一年草 アフリカのエチオピアが原産の一年草で、わが国には遅くとも奈良時代から平安時代には渡来し、作物として栽培されている。ササゲ属の植物は、蔓性か、蔓なしの矮性で、種実の莢が長くなることが特徴である。 栽培品種は、大まかに3つの郡に分けることができる。 イ:蔓性で、莢の長さは30㎝~100㎝。 ロ:蔓性・蔓なし矮性で、莢の長さは10㎝~30㎝。 ハ:蔓なし矮性で、莢の長さは10㎝程度。 この3つの郡のうち、もっぱら「ササゲ」と呼ばれるものの特徴はロのグループの特徴である。花は薄い青紫色の蝶型である。 和名は、莢の様子が、何かを捧げ持った人の腕の様子に似ていることから。 種実をアズキのように、赤飯や餡子の材料とする。豆の皮が破れにくいので、アズキの代わりとして武家社会のハレの日の食べ物に用いられた。
画像出典:https://botanic.jp/plants-sa/juroku.htm 上記の3つの郡のうち、イの郡に属するものである。莢の長さは30㎝~100㎝で、蔓の長さは2m~3mである。若い莢をインゲンマメ(さやいんげん)の代わりに野菜として利用するほか、熟した豆をアズキと同じように利用する。莢の色は黄緑色と赤紫色のものがあり、束ねて販売される。沖縄県の「フーロー豆」と呼ばれるものはこの品種である。
画像出典:花、莢のいずれもhttp://hanamist.sakura.ne.jp/flower/riben/mame/hatasasage.html 草丈は30㎝~40㎝で、蔓性にはならない一年草である。上記の品種群で言えば、ハの品種群に属する。莢がⅤの字状に実るのが特徴で、種実は小さい。種実が黒褐色のものをハタササゲと呼び、種実が黄色に近い色合いのものをヤッコササゲと呼ぶ。江戸時代に九州南部で種実を赤飯に用いていたという記録が残っている。現在はわが国では野生化していることが多い。アメリカでは飼料作物として栽培されている。 江戸時代の本草書には、このハタササゲの莢が丸まったような「メガネササゲ」と呼ばれるものが栽培されていたという記載がある。現在、メガネササゲが野生化していることはおろか、栽培されているという話は寡聞にして知らない。