コロシントウリとは、薬用植物の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:ウリ科スイカ属 学名:Citrullus colocynthis 原産地:熱帯アジア・北アフリカ 生態:つる性一年草 熱帯アジアや北アフリカが原産の蔓性一年草で、わが国には明治後期~大正時代に渡来し、現在は各地の薬用植物園で栽培される。 草姿から葉、花、果実に至るまで非常にスイカに似ている。果実はハンドボール大の大きさに成長し、表面は薄緑色で表面には鮮やかな緑色の縦じま模様が入るが、熟すと表皮は黄色に変色し、模様はほとんど見えなくなる。 果肉は熟しても白色で、やわらかいスポンジ状となり、茶色ないしは薄い灰色の種子が無数に入る。果肉はとても苦く、多食すれば下痢を引き起こす。この作用を生かして、果肉は下剤として処方されることがある。 しかし、種子は苦みがないのでナッツとして食用にすることができ、現地の人々は炒って食用にする。ウリ類の種子を食するというのは特段珍しくもなく、お酒のおつまみを取り扱っている店によっては、カボチャやスイカの種子を炒って殻を外し、味付けしたものが売られている。また、わが国各地の縄文後期から弥生時代の遺跡からはマクワウリの種子が多く出土しているが、果物として果肉を食用にする以外、種子を食用にしていたと推測されている。