グネモンとは、樹木の一種である。 画像出典:(上)小石川植物園温室にて筆者撮影/(下)https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Melinjo_(Gnetum_gnemon)_(6863727669).jpg?uselang=ja 科名:グネツム科グネツム属 学名:Gnetum gnemon 原産地:東南アジア、中国海南島 生態:常緑の低木ないしは高木 マレーシアなどの東南アジア(ただし、スマトラ島やジャワ島では栽培はされるが、自生はしていない)に分布する樹木の一種である。わが国には昭和十年にもたらされ、各地の植物園の温室で栽培されている。低木の物から樹高20mほどの高木の物まで変異がある。 一見すると被子植物のように見えるが、実際は裸子植物の一種で、普通風媒花である裸子植物には珍しい虫媒花である。葉は対生し、楕円状披針形、全縁、濃緑色で光沢がある。花は房状につき、雌雄異株。 仮種皮は緑色から赤色に熟す。種子は楕円形で先端がとがり、一つの種子を仮種皮が包むようにして実る。 インドネシアでは「メリンジョ」または「ビリンジョ」の名称で食材として親しまれ、若い仮種皮や若葉は野菜として食用になる。また、これらを種子と共に潰して成形し、揚げせんべいを作る。これは「ウンピンせんべい」と呼ばれ、インドネシアでは定番のおやつである。同じ裸子植物であるイチョウ(ぎんなん)やチョウセンゴヨウ(松の実)とはまた違う独特の風味があるという。