ガマズミとは、樹木の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影。 科名:ガマズミ科ガマズミ属 学名:Viburnum dilatatum Thunb. 原産地:東アジア 生態:落葉低木 わが国各地の山野の日当たりのよい場所に生息するほか、朝鮮半島や中国にも生息している落葉低木である。 樹高は2mないしは3mで、樹皮は黒みがかって紫色を若干帯びた褐色で、皮目を持つ。若い枝や葉柄、葉の裏、花序に星状の毛と腺点を持つ。 初夏に1対の葉を持つ枝の先端に白い直径5㎝程の花序を出し、花を咲かせる。1つ1つの花は直径5㎜程と小さい。晩夏から秋に米粒より少し大きい程度の先端のとがる楕円形の果実をつけ、熟すと赤色になる。この熟した果実は甘みがあって食用にすることができ、古くは山村の子供のおやつとなったほか、果実を酒に漬け込んで果実酒にすることもあった。この果実種は薬用酒としても知られ、漢方の世界では『莢蒾子(キョウメイシ)』の名称で疲労倦怠、動脈硬化予防などの効用を期待して用いられた。食用以外にも、柔らかく折れにくい材から縄を作って物を縛ることができる。