カキノキは、果樹の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:カキノキ科カキノキ属 学名:Diospyros kaki 原産地:日本含む東アジア 生態:落葉高木 東アジアの温帯地域が原産の落葉高木。わが国や朝鮮半島、中国が原産地である。葉は広楕円形から卵状楕円形で互生し、裏面には褐色の毛が生えている。5月から6月ごろ、黄白色の花を葉腋に咲かせ、雄花と雌花が同株に咲く。果実は9月から11月にかけて橙色に熟す。甘柿と渋柿があり、甘柿はそのまま生食するほか、ジュースやジャムにする。渋柿は熟しても渋みは残るため、酒などでアルコール処理を行い、渋を抜いてから生食するか干し柿にする。かつては未熟果を柿渋に加工して、和傘に塗ったり、防腐剤に用いたりした。また、若い芽を山菜として食用にすることもあり、成長した葉には防腐作用があるため、「柿の葉寿司」など食材を包むのに用いられた。木質は緻密で堅く、家具や茶道具、桶や和傘などの材料として利用される。心材が黒いものは「黒柿」と呼称され珍重される。ただ、加工が難しくてしかも割れやすいので、現在はほかの樹種にとって代わられている。蔕の部分は「柿蔕(してい)」と呼ばれ、しゃっくり止めの薬に用いられる。