オニバスは、水草の一種である。 画像出典:東京薬科大学薬用植物園にて筆者撮影 科名:スイレン科オニバス属 学名:Euryale ferox 原産地:東アジア 生態:一年草 インド、中国、日本が原産の一年草の水草である。トゲに覆われた数枚の葉が水に浮かび、葉の表側は緑色、裏側は紫色である。葉の直系は最大で1mほどになる。 夏に紫色の直径4㎝ほどの花を咲かせ、日中に開花し、夜に閉じる。花の後に球形の鋭い棘に覆われた果実をつけ、果実内部には浮袋に包まれた多数の種子がある。 種子は黒色の殻に包まれ内部に白いでんぷん質の胚乳がある。この部分が食用になり、コメに炊きこむほか、ポン菓子にして食す。 また、若い葉柄も見た目をフキになぞらえた名称「ミズブキ(水蕗)」の名称で野菜として食用にされる。 わが国では古代に野菜として利用されたようであるが、乱獲が相次ぎ、準絶滅危惧種に指定されている現在では食用としての利用はほとんど顧みられていない。中国では小規模ながらも野菜として栽培されるという。