ウマノスズクサとは、山野草の一種である。
画像出典:小石川植物園にて撮影。 科名:ウマノスズクサ科ウマノスズクサ属 学名:Aristolochia debilis 原産地:東アジア 生態:つる性多年草 我が国や中国が原産のつる性の多年草であるが、冬になると地上部は枯れ、土中の塊根で冬を越す。川の土手や畑、林縁に生える。植物体は全体的に毛はなく、精油が含まれているので人によっては不快感を覚えるような特有のにおいがある。 草丈は1mから5mで、他のものに絡みつくように成長する。葉は縦長の心臓型で、両側が人の耳のように出っ張ったようになり、茎に互生する。6月から9月にかけて葉腋に、基部が膨らんだような形状のパイプ型の花を咲かせ、花には花弁がなく、花弁のように見える広がった口のような部分は筒の一部が変化したもので、紫色ないしはあずき色になる。 かつては「馬兜鈴(バトウレイ)」の名称で薬として利用され、解熱、去痰、咳止め、気管支拡張や肛門の薬として利用されたが、本種は全体にアリストロキア酸という有毒成分を含み、多量に摂取すると腎障害を引き起こす。この中毒事故が多数報告されているので、現在は薬用植物としてよりは、山野草や有毒植物として知られる。