アンズは、果樹の一種である。 画像出典:自宅近くにて筆者撮影 科名:バラ科サクラ属 学名:Prunus armeniaca 原産地:中国 生態:落葉小高木 わが国への正式な渡来時期は不明だが、平安時代にはすでに伝わっており、「カラモモ(唐から来た桃)」の名称で呼ばれていた。ただ、カラモモはアーモンドの別名でもある。樹高はおよそ5mで、樹皮はやや赤みがかっており、若い枝は紫がかった茶色である。葉は互生し、葉身は6-9cmの卵円形、先は尖り、縁に細かい鋸歯がある。3月ごろ、葉がでる前に、3cm程の淡紅色の5弁花をつける。果実はモモやスモモと同様に核果と呼ばれるもので、6月に黄色ないしは橙色に熟す。ウメやアーモンド、スモモと交雑しやすく、一説にはウメの一品種である「豊後」は果実が一回り大きくなり、且つオレンジ色に熟すため、アンズとの偶発交配種ではないかとされる。 果実は生食するほか、ジャムやドライフルーツとして食用にする。種子は杏仁の名称で漢方薬とし、冷え性や低血圧に効果がある。また、粉末にしたものは中華のデザート・杏仁豆腐の材料になる。ただし、未熟果や種子にはアミグダリンという生産配糖体が含まれるので、薬用として利用する際には必ず医師の判断を仰ぐ。この青酸配糖体はウメやアーモンド、スモモ、モモの未熟果や種子にも含まれる。