アマ(亜麻)とは、有用植物の一種である。 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:アマ科アマ属 学名:Linum usitatissimum 原産地:コーカサス地方から中近東 生態:1年草 コーカサス地方から中近東地域が原産地とされている一年草である。わが国には江戸時代初期(元禄年間)に種子が小石川薬園(現・小石川植物園)にもたらされたのだが、当時は中国から安価に種子からとった油(亜麻仁油、アマニオイル)が輸入されていたため、栽培が定着せず、本格的に栽培が開始されたのは明治になってからのことである。 草丈は1mから1.5mに成長し、初夏から夏にかけて5枚の花弁からなる紫がかった薄い青色ないしは白色の花を咲かせる。葉は淡い青緑色で方位磁針の針を思わせるような細い形状で、対生する。花の後に蒴果を実らせ、その蒴果の内部にはゴマと形状が似ているがやや扁平な赤みを帯びた褐色の種子が入っており、そこから亜麻仁油をとる。この亜麻仁油は油絵具のバインダーや木製品に塗るためのニス(・・)に用いられていたが、現在は健康食品としても流通している。酸化しやすいため、炒めたり揚げたりといった調理方法では健康的な効果は期待できないが、そのまま飲むか、できあがったさまざまな料理に適量をかけて摂取する。 また、繊維を編んで織物や帽子にすることもある。色名の亜麻色はこの繊維の白っぽい黄褐色に由来する。