トマト のバックアップ(No.15)

トマトは、野菜として栽培される作物の一種。
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画像出典:自宅近くにて筆者撮影

分類ナス科ナス属
学名Solanum lycopersicum
生態一年草*1
原産南アメリカ大陸
別名アカナス、サンゴジュナスビ

南アメリカ大陸が原産で、熟した果実を野菜として食用にする。果実にはリコピンやβ-カロテン、ビタミンCなどの栄養素を豊富に含む。果実は直径6cmの大玉トマトの栽培が主流だが、直径が2cm以下のミニトマト*2が多く見られ、まれに直径が15cm内外のビフテキトマトや直径が1cm以下のマイクロトマトがみられる。果実は生食するほか、加熱してソースやスープ(ミネストローネ)にする。イタリア料理で使われるトマトは「サンマルツァーノ」タイプで、細長い形状で、水分が少なく、うまみ成分であるグルタミン酸の含有量が多い。

現代でこそイタリアではトマトが我が国におけるカツオブシやコンブのように旨味源として重宝されているが、中世ヨーロッパでは、同じナス科で致死性の毒を持つベラドンナの一種と誤認され、食用にはされなかった。現在のように野菜としての利用は近世(1700年代)になってからのことである。

我が国には桃山時代に入ってきたとされ、江戸前期の本草学者・貝原益軒による生物百科事典『大和本草』が初出であるが、当初は雑草の扱いを受けていた。この頃のトマトは青臭く、食用には適さなかったのである。狩野山楽の絵画にもトマトを主題にしたものがあるが、カボチャのミニチュアのような形状をしていたという。アメリカやヨーロッパの「エアルーム」(固定種)の品種には、カボチャ型の果実をつけるものが多い。
食用としての利用は明治以降始まり、田中芳男の『有用植物図説』(1891年)にも「サンゴジュナス」の名称で記載され「長らく観賞用とされてきたが、近年は西洋料理が広まってきたことにより、食用にすることが増えている」(筆者訳)という記述がみられる。

なお、1893年にアメリカ・ニューヨークで「トマトは野菜か、果物か」という裁判が開かれた。一見するとしょーもない裁判が開かれたように思われるが、実際はかなり切実な問題が根底にあったのである。
当時アメリカでは、野菜の輸入には関税が課され、果物には課されなかった。トマトの輸入業者は、税金がかからないように「果物」と主張。これに対して農務省は「野菜」と主張した。
で、判決はどうであったかというと、「トマトは野菜!終わり!閉廷!以上!みんな解散!」であった。
判決の理由は

  • トマトは野菜畑で栽培される
  • トマトはおかずとして食卓に出されるが、デザートとしては出されない

ということであった。

近似種 Edit

ミニトマト Edit

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画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影


トマトのうち、果実の直径が2㎝内外のものをいう。生食あるいはサラダにする。

ミディトマト Edit

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画像出典:東京都薬用植物園にて撮影


トマトのうち、果実の直径が4~5㎝内外のものをいう。果実色は赤色や黄色が多いが、オレンジ色の品種も人気が出ている。

黒トマト Edit

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画像出典:夢の島熱帯植物館にて撮影


トマトのうち、果皮が黒紫色になる珍しい品種。画像のようなミニトマト系の品種もあれば、大玉系の品種もある。トマト類の中では栽培の難易度は高くなる。

マイクロトマト Edit

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画像出典:夢の島熱帯植物館にて撮影


トマトのうち、果実がの直径が1㎝内外のものをいう。栽培種の中で、もっとも原種に近い性質を持つという。果実の風味は小さいながらも濃く、サラダや生殖に。

調理用トマト(サンマルツァーノ) Edit

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画像出典:夢の島熱帯植物館にて撮影


果実は中玉系で、楕円形で先端がややとがる珍しい品種である。本種は果皮が硬く、また酸味も強いので生食には向かない。グルタミン酸を多分に含むので、パスタソースなどイタリアの家庭料理の味には欠かせない。いうなれば、わが国の鰹節や昆布のような役割を果たす。わが国ではホールトマト缶が多く出回り、上にあげた写真のように生の果実を見ることは少ない。

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*1 本来は多年草だが、我が国では冬に枯死するため一年草扱い
*2 ちなみに俗に言う「プチトマト」は開発元のメーカー*3の都合で2007年に販売終了
*3 タキイ種苗という種苗メーカーである

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