モモ(桃)は、バラ科の落葉高木である。 画像の出典:https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/agriculture/document/5bfde8bf-0b54-7848-97d6-1ee30cf9a645#?c=0&m=0&s=0&cv=26&xywh=-810%2C-1%2C6863%2C4094 有用植物図説(東京大学総合図書館所蔵)
果実を生食用や缶詰とするために栽培される。我が国には弥生時代に中国から渡来した。我が国のモモの最古の記録は「古事記」「日本書紀」に見られる。樹高は2m程度で、早春に薄桃色の花を咲かせる。 当時は甘みも薄く、果実もそれほど大きいものではなかった。どちらかといえば、喉の乾きを癒やすためのスポーツドリンク的な役割を果たしたと思われる。明治時代に中国の優良な品種が導入されて改良され、現在のように甘みの強い品種の原型が出来上がってきたという。 果実の表面には産毛があり、これが虫による食害を防ぐとされるのだが、皮膚の弱い人はこのモモの毛にかぶれるという。 果皮が白色に近いものは白桃と呼ばれ、モモの中でも高級品である。缶詰に使われる桃は果肉や果皮が黄色いものが多く、これらは黄桃と呼ばれる。近年は生食に向く黄色い品種もある。
画像の出典:https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/agriculture/document/7844f0c7-2434-7b74-15df-c74b0e3c8e38#?c=0&m=0&s=0&cv=40&xywh=-810%2C-1%2C6863%2C4094 有用植物図説(東京大学総合図書館所蔵) 薄いピンク色の花を観賞用にするため栽培する。3月が花期で、菊桃などの多くの園芸品種が作出されている。ハナモモの品種はあくまでも観賞用として栽培されるため、果実はつけないか、つけることはあっても多くは小さくて固く、味も悪いので食用にはしない。ただし例外的に、「照手水密」という枝垂れ性の品種は果実を食用にすることができる。
画像の出典:https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/agriculture/document/5bfde8bf-0b54-7848-97d6-1ee30cf9a645#?c=0&m=0&s=0&cv=26&xywh=-810%2C-1%2C6863%2C4094 有用植物図説(東京大学総合図書館所蔵) 現在ではネクタリンの名で呼ばれることのほうが多い。通常、モモの果実の表面には細かな産毛があるのだが、本種にはそれがなく、表面に光沢を生じ、果皮は鮮やかな赤色になる。これが油を塗られたように見えることから、アブラモモの名前で呼ばれることもある。モモと同じように、果実を生食あるいはジュースにする。江戸時代の植物図鑑「本草図譜」にはすでに図版と解説が見られる。
画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Peaches-in-Soft-Focus-by-Raju-C-Reddy.jpg モモの一品種で、果実の真ん中がくぼんでいて、上下に押しつぶされたような珍しい品種である。種子が小さいので、果実の見た目の大きさに反して可食部分が多い。 「西遊記」において、孫悟空が天帝から桃園の管理を命ぜられた際、悟空が盗み食いしたのが本種であるとされる。