ダイダイとは、柑橘類の一種である。 画像出典:(上)と(下)は自宅にて筆者撮影。(中)は東京都薬用植物園にて撮影。(上)臭橙(カブス)。(中)臭橙の若い果実をつけた木。(下)座代々(ザダイダイ)。 科名:ミカン科ミカン属 学名:Citrus aurantium 原産地:中国 生態:常緑小高木 中国南部が原産で、わが国には大和時代に中国から渡来し、中間地や暖地に栽植される常緑小高木。樹高は3mほどで、枝に棘がある。 葉は互生し、葉は厚く卵型で、初夏に五芒星型の花を咲かせ、芳香がある。果実は直径6㎝ほどで、最初は鮮やかな緑色で、熟すと橙黄色に変色する。樹に残しておけば、翌年の夏に再び緑色に戻る。果梗に近い部分がやや盛り上がる「ザダイダイ」というものもある(写真下)。 果実は酸味が強く、苦みがあるので生殖できないが、果汁をポン酢として料理の味付けに用いる。また、正月の鏡餅の上にのせる柑橘は、本来はダイダイだが、温州ミカンで代用されることもある。 和名は果実が翌年の夏も残って緑色に再び戻ることを「代々栄える」ことにつなげた。果皮は「橙皮(とうひ)」として漢方薬に用いられる。 「カブス」という名称は、ダイダイのうち、写真上のように果梗に近い部分がへこむものをいう。
画像出典:https://www.botanic.jp/plants-ta/daidai.htm ダイダイの園芸品種で、葉には黄色い斑が入り、果実には緑色の模様が入る。「地球柑」の名称は、この見た目に由来する。「地球柑」は園芸名で、植物学上は「シマダイダイ」(縞橙)の名称で呼ばれる。 普通観賞用として庭に植えられるが、果汁を酢の代わりに利用することができる。
画像出典:http://hatazakura.air-nifty.com/blog/2011/10/1020-44f3.html ブログ「草木365日」より引用 ダイダイの園芸品種で、江戸時代から栽培されていたものと推測される。果実には縦縞があり、上から見ると菊の花に見える。実っている様子は、まさに木にかぼちゃが実っているような面白い様子を呈する。果汁は酸味が強く、苦みも強いためもっぱら観賞用として庭に植えられる。「本草図譜」には「菊ミカン」という本種を思わせるような柑橘のイラストがあるが、本種と同一の品種かは不明である。