ルバーブ のバックアップ(No.12)

ルバーブとは、茎を食用とする西洋野菜の一種である。

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画像出典:(左)東京都薬用植物園にて筆者撮影/(右)東京薬科大学薬用植物園にて筆者撮影。茎が黄緑色の品種。

分類タデ科カラダイオウ属
学名Rheum rhabarbarum
生態多年草
原産地シベリア



 シベリアが原産のタデ科カラダイオウ属の多年生草本植物である。この属は薬用植物として利用される品種が多く、特に中国原産のダイオウ(薬用大黄、Rheum officinale)やショウヨウダイオウ(掌葉大黄、Rheum palmatum)、タングートダイオウ(党項大黄、Rheum tanguticum)、チョウセンダイオウ(Rheum coreanum)などはいずれも「大黄」の名称で塊根が漢方薬の原料となり、消炎・止血・緩下作用がある。
わが国で作出されたシンシュウダイオウ(信州大黄、R.coreanum×R.palmatum)はチョウセンダイオウとショウヨウダイオウを交配させた品種で、こちらも前述のダイオウ属の植物と同等の効果を持ち、現在は北海道で栽培される。
 本種はダイオウを改良し、葉柄を食用とするために栽培される品種で、ジャムや砂糖漬けなどお菓子の材料にすることが多い。このため、アメリカでは果物と見なされることもある。わが国でアボカドが野菜としての扱いを受けるのと似たような具合である。我が国では農産物直売所や百貨店で葉を取り去った葉柄やジャムが少数ながらも販売され、知る人ぞ知る食材となっている。ジャムは甘酸っぱい風味が特徴で、そのままはもちろん、トーストに塗ることも、パイなどにされることもある。
 草丈は2mほどになり、長い葉柄のある大きな根生葉をつけるのでフキに似ているが、フキとは違って葉は卵形で、縁がやや縮れる。茎は薄い赤色もしくは黄緑色で、日当たりの良い場所で栽培すれば茎色が真っ赤になる。
葉にはシュウ酸が含まれて有毒であるから取り除くこと。第二次大戦下のイギリスで、ラジオ番組でルバーブの調理方法を紹介していたのを実践する際に、葉も一緒に調理してしまい、ひどい腹痛や下痢にさいなまれた事例がある。多量に摂取すれば死ぬ危険性がある。ただし、葉を使って煮出した液を真鍮や銅を磨くために使用することができる。カタバミの葉やスターフルーツの未熟な果実で十円玉を磨くと、金属光沢が出ることと同じ原理である。
 我が国には「明治時代に様々な西洋野菜とともに導入された」としばしば説明されるが、実は幕末期にも一度渡来しているのである。それは旗本・馬場大助による西洋の植物の彩色図譜『遠西舶上画譜』(東京国立博物館所蔵)がその証拠であり、同書中には特徴を見事にとらえた本種の彩色図が描かれている。どういうわけか「チサ」(レタスの日本名)と書かれているが、これはおそらくフダンソウの別名である「トウヂサ(唐萵苣)」と取り違えたのであろう。

近似種 Edit

ダイオウ(R.officinale) Edit

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画像出典:ダイオウを描いた図。19世紀のドイツの植物図鑑『ケーラーの薬用植物』から。https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Rheum_officinale_-_K%C3%B6hler%E2%80%93s_Medizinal-Pflanzen-256.jpg?uselang=ja


 中国西部が原産の大型の多年草で、草丈は2mほどにもなる。長い葉柄のある大きな根生葉をつける。掌状に裂けた裂片には多数の欠刻があり、先端は尖る。実生から三年以上の根茎を春または秋に掘り出し、陰干ししたのち少量を健胃薬とし、多量のものは下剤とする。洋の東西を問わず、広く用いられてきた。

ショウヨウダイオウ(R.palmatum) Edit

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画像出典:ショウヨウダイオウ。東京都薬用植物園冷温室にて撮影。


 中国の甘粛省やチベットが原産の多年草である。前述のダイオウ同様、草丈が2mほどにもなり、長い葉柄のある大きな根生葉をつける。利用法はダイオウに同じ。

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