キク のバックアップ(No.12)

キク(イエギク)は、観賞用に栽培される園芸植物である。

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画像出典:上下いずれも筆者が自宅近くにて撮影
科名:キク科キク属
学名:Chrysanthemum morifolium Ramat.
原産地:中国
生態:多年草


 中国原産の多年草で、皇室の象徴や武家の家紋など、物品の意匠に多用されることの多い植物である。ふつうキク(菊)というと、キク科キク属の多年草植物の総称で、世界に200種ほどある。本項で解説するキクは、「イエギク」と呼ばれる野生品の改良品種である。わが国には「野菊」と呼ばれる20種の野生品の品種があり(よって、「ノギク」という名の植物種はない)、なかでも牧野富太郎の命名したノジギクは「野菊」の中でも知名度が高い。草丈は1m前後になり、茎の下部は木質化する。秋に花を咲かせるが、ビニルハウスでの電照栽培により、周年流通する。
 わが国には平安時代に中国から朝鮮半島を経由して渡来し、観賞用というよりは薬用として利用されてきた。江戸時代になって交配が進み、観賞用の品種が多く開発された。江戸中期には様々な菊の種類を紹介した『画菊』という図譜が作成されたほどである。
花が直径20㎝以上の大きさになる大菊があり、大菊に分類されるものは花弁に厚みのある厚物、花弁が管状になる管物、花弁が幅広くなる広物がある。中菊と呼ばれるものに、仏花などに使用される一般的な実用花や、洋菊(ポットマム)がある。古典的な品種に、嵯峨菊、伊勢菊、美濃菊、肥後菊、江戸菊があり、これらも中菊の一種である。花の直径が3㎝~6㎝もの大きさのものは小菊と呼ばれ、それよりさらに小さい直径1㎝以上3㎝以下のものはスプレー菊と呼ばれる。
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様々な種類の菊。 村越三千男 編並画『内外植物原色大図鑑』第一巻,植物原色大図鑑刊行会,昭和8. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1869695 (参照 2025-01-15)

近似種 Edit

ショクヨウギク Edit

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画像出典:上下いずれも東京都薬用植物園にて筆者撮影。上はショクヨウギクの「延命菊」という品種で、下はショクヨウギクの「安房宮」という品種である。
普通キクと言えば観賞用に栽培されるが、観賞用以外にも、品種改良によって苦みが弱まったショクヨウギク(リョウリギク、Chrysanthemum morifolium Ramat. var. sinense Makino forma esculentum Makino.)という品種が江戸時代から栽培されている。花弁の色は黄色や薄い赤紫色など、さまざまである。刺身のツマや、乾燥させた花弁を板状に成型した菊海苔のほかに、酢の物や揚げ物、和え物にする。

キクにまつわる諺 Edit

  • 六日の菖蒲・十日の菊
    端午の節句(五月六日)や重陽の節句(九月九日)にそれぞれ一日遅れたアヤメやキクのように、時季外れで役に立たないもののこと。類似表現に「夏炉冬扇」。

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