カキノキ のバックアップ(No.12)

カキノキは、果樹の一種である。
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画像出典:花と果実のいずれも東京都薬用植物園にて筆者撮影
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画像出典:自宅近くの植込みを撮影。品種はおそらく「蜂屋」か「愛宕」であろう。いずれにしても、渋柿であることは果実の形状から見て確定的である。。
科名:カキノキ科カキノキ属
学名:Diospyros kaki
原産地:日本含む東アジア
生態:落葉高木


東アジアの温帯地域が原産の落葉高木。わが国や朝鮮半島、中国が原産地である。葉は広楕円形から卵状楕円形で互生し、裏面には褐色の毛が生えている。野生品の「ヤマガキ」(var.sylvestris)と呼ばれるものは葉がやや小さくて毛が多く、子房にも毛がある点で区別することができる。5月から6月ごろ、黄白色の花を葉腋に咲かせ、雄花と雌花が同株に咲く。果実は偏球形ないしはつりがね型で、9月から11月にかけて赤みの強い橙色に熟す。甘柿と渋柿があり、甘柿はそのまま生食するほか、ジュースやジャムにする。甘柿の中でも、種子の個数に関係なく熟せば甘くなるものを「完全甘柿」といい、種子が数個以上できないと渋みが抜けず甘くならないものを「不完全甘柿」という。「完全甘柿」には「富有」、「次郎」などの品種があり、不完全甘柿には西村早生、禅寺丸などがある。
渋柿は熟しても渋みは残るため、酒などでアルコール処理を行い、渋を抜いてから生食するか干し柿にする。主な品種に「平核無」「蜂屋」などがある。
干し柿は、砂糖があまねく普及する室町期までは貴重な甘味源であった。生では保存が利きにくいカキの水分を乾燥させて抜くことで、長期保存できるようにする、生活の知恵のひとつである。半生に仕上げたものを「あんぽ柿」、表面に粉(果糖)が噴き出るまで乾燥させたものを「枯露柿」と呼ぶ。
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干し柿の様子。いわゆる「吊るし柿」である。これは、干し始めてから2日程度のもので「あんぽ柿」に近い状態である。筆者が大学の庭園にて撮影。


 かつては緑色の未熟果から果汁を絞って柿渋に加工し、和傘に塗って耐水性を持たせたり、防腐剤に用いたりした。この柿渋は、近縁のシナノガキからも採取された。また、若い芽を山菜として食用にすることもあり、成長した葉には防腐作用があるため、「柿の葉寿司」など食材を包むのに用いられた。木質は緻密で堅く、家具や茶道具、桶や和傘などの材料として利用される。心材が黒いものは「黒柿」と呼称され珍重される。ただ、加工が難しくてしかも割れやすいので、現在はほかの樹種にとって代わられている。蔕の部分は「柿蔕(シテイ)」と呼ばれ、しゃっくり止めの薬に用いられる。
成木責めという不思議な行事が、愛知県など各地で行われている。これは二人一組で行う行事で、一人が樹を鉈で叩きながら「成らぬか、成らぬか。成らねば切ってしまうぞ」と脅し、もう一人がカキノキの精霊に成りすまし、「成ります、成ります」と慈悲を乞う。そうして、先程鉈で切り傷をつけていた者が、「成るなら粥をばしんぜよう」と、樹の傷口に粥を塗るのである。これは、果実の豊作を祈願するもので、養分が果実にいきわたるようにするため、あえて鉈で叩くのである。

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