スモモとは、果樹の一種である。 画像出典:いずれもhttps://www.botanic.jp/plants-sa/sumomo.htm 科名:バラ科スモモ属 学名:Prunus salicina 原産地:中国 生態:落葉高木 中国が原産の落葉高木で、樹高は10mになり、4月に葉の付け根に白い花を咲かせる。花はアンズとよく似ているが、アンズとは異なり、蕚片は反り返らない。6月から9月にかけて球形の果実を実らせ、緑色から赤色ないしは紫色、黄色に熟す。熟した果実は、表面に蝋質の粉を吹くのが特徴である。この粉が多いほど、果実は新鮮でよく熟しているのである。この粉の正体は「果糖」と呼ばれるもので、果物ではブルーベリーやブドウ、リンゴにみられ、野菜ではスイカやカボチャの表面にみられることがある。 現在我が国で流通するのは本種(二ホンスモモ)とセイヨウスモモで、明治ごろに日本で古くから栽培されていた品種がアメリカに導入され、品種改良されて再び日本に里帰りした品種が多く栽培されている。果実はもっぱら生食される。薬用植物としての効果もあり、果実に含まれるクエン酸やカリウム・リンゴ酸により利尿作用・高血圧予防・肝機能を高める効果がある。
セイヨウスモモの項目を参照。
画像出典:https://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/agriculture/document/5bfde8bf-0b54-7848-97d6-1ee30cf9a645#?c=0&m=0&s=0&cv=26&xywh=1803%2C1995%2C2835%2C1691 「有用植物図説」より抜粋 普通のスモモより果実が一回り大きく、絵本の『桃太郎』に登場する桃のイラストのように果実の先端がとがる品種である。果実の色は黄緑色で、熟すとより黄色みが強くなる。現在は「ケルシ―」という品種が知られる。もともと山梨県で栽培されていたトガリスモモの一品種である「甲州大巴旦杏」という品種がアメリカに導入され、品種改良を加えられて、日本に再び里帰りした品種である。生産量が少なく「幻のスモモ」と呼ばれる。
画像出典:(上)https://www.mantentosa.com/nature/tree/view_tree.php?id=ikuri_h_zm&subdir=z//(下)https://www.mantentosa.com/nature/tree/view_tree.php?id=ikuri_m_zm&subdir=z/ いずれも高知県中西部地域密着ポータルサイト【満天土佐】より抜粋 鹿児島県で栽培されてきた品種で、明治時代の植物図鑑「有用植物図説」には「スモモの一品種で、果肉が赤紫色のものである」という解説がつけられたうえで「ウラベニスモモ」の名称で紹介され、「ヨネモモ」はその別名として記されている。現在は皇居東御苑の果樹古品種園で現物を見ることができる。味は甘みが弱く、酸味が強いので、次第に流通に乗らなくなったようである。鹿児島県で栽培されていた「万左衛門」という品種も同様の風味を持っているという。こちらも皇居東御苑の果樹古品種園で現物を見ることができる。