ウリ科 のバックアップ(No.10)

ウリ科とは、被子植物における一グループの一つである。

概要 Edit

ほとんどが巻きひげをもつつる性?の一年生の草本からなる。アレチウリ?カラスウリなどの野生のウリ科植物は類いは冬になると地上部が枯れ、塊根で冬越しするという多年生の性質を持っているものもあるが、これもつる性の草本である。

ただし、イエメン?ソコトラ島?に生息するDendrosicyos socotranus?という種があり、これは木本植物である。この種はソコトラ島固有種で、絶滅危惧種に指定されている。

主なウリ科植物 Edit

栽培 Edit

野生 Edit

わが国におけるウリ科植物の歴史 Edit

人類はこのグループに属する植物を食用や観賞用、工芸用など様々な目的に栽培してきた。ここからは、わが国のウリ科植物の歴史について述べる。

縄文時代後期に初期農耕が始まってから、ヤマノイモや陸稲を栽培するとともに果物としてマクワウリが、容器加工用としてヒョウタンが栽培されていた。奈良県磯城郡田原本町の弥生時代の遺跡とされる唐古・鍵遺跡からはマクワウリやヒョウタンの種子が出土している。

ついで大和時代になるとトウガンやキュウリ、シロウリなど、現在野菜として利用する種が中国から導入されたが、シロウリやトウガンが野菜としてそれほど期間を置かぬうちに利用されたのに対し、キュウリは江戸後期までなかなか食用にされなかった。これは、当時キュウリの熟した果実をマクワウリの代わりに食していたが、猛烈な苦みと酸味があって食用に堪えなかったことと、徳川幕府による統治が始まった折、キュウリの輪切りが葵の紋所によく似ていたためである。余談だが、福岡県では山笠の時期にはキュウリを食わないという。これは、「五瓜(ごか)唐花(からはな)*1という家紋がキュウリの断面とよく似ているためである。

平安時代になると、それまで渡来してきたウリ類の栽培とともに、ユウガオの栽培が盛んになる。ユウガオはヒョウタンの苦み成分が殆ど発現しなくなったものであったが、果実の野菜としての利用は民間に限られ、当時の貴族は花を観賞用としていたと思われる。枕草子には、ユウガオについて、「花は美しいが、実が不格好であきれる」という評価がみられる。果実を食用にする習慣が民衆に広まるのは、室町時代になってからである。

戦国時代になると、豊前の領主・大友宗麟はポルトガルやスペインと交易したが、ポルトガル人が宗麟に二ホンカボチャを献上している。当時は有毒植物とみなされ観賞用とされており、食用とされるようになるのは、元禄10年(1697年)刊行された農書「農業全書」にすでに記述がみられることから推測して徳川時代初期からである。ヘチマやスイカの渡来時期は現在も南北朝時代説や桃山時代説、現在ではほぼ否定されているが鎌倉時代説など諸説あり、判然としていないが。いずれも「農業全書」にすでに記載がみられ、このころには作物として民間に浸透し、利用されていたことがうかがえる。

カボチャが野菜として栽培されるのと前後して、中国からツルレイシが導入され、当初は熟果の周りの赤い仮種皮を食用とするために栽培された。本格的な野菜としての利用は明治以降である。

幕末から明治にかけては、西洋の作物や花卉が渡来する全盛期であった。このころ、現在のカボチャの主力品種であるセイヨウカボチャ(クリカボチャ)やメロンが渡来し、日本に居住する欧米出身者のために栽培されるようになった。大正時代にはアメリカからハヤトウリ、中国からはペポカボチャの一種であるソウメンカボチャ(金糸瓜)が渡来し、現在も季節野菜として栽培される。

第二次大戦中並びに戦後には、わが国は食糧不足にあえいだが、穀物が不足する最中で、ペポカボチャを除くカボチャ類が飢えの解決に一役買っている。さらに、昭和末期に入ると未熟果を食用とするズッキーニや、果実を観賞用とするオモチャカボチャの栽培が国内で盛んとなり、現在に至る。

現在はエスニック料理ブームや珍野菜ブームからか、カラスウリの近縁にあたり、ひょろ長い果実をつけるヘビウリが「セイロン瓜」の名称で少しづつではあるが、注目されている。未熟な果実を野菜として食用にする他、果樹園の近くに植えて木につるを絡ませるように栽培することで、木に蛇が止まっているかのように錯覚させ、果物の食害を防ぐ効果が注目されているのだという。

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*1 「織田木瓜」と酷似するが、よく見ると「織田木瓜」より隙間が狭い

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