そよそよと吹きくる涼風を顔に受けつつ、じっと池面を見渡してまずわが眼に入るものはうきくさである。あの小さき体をしたうきくさも繁殖して相集まれば、いつとはなしに水面を蔽いそこここに群れなして浮かび漂うている。