厩火事とは、落語の演目の一つである。
ある夫婦がいて、ある日、妻が仲人のもとに転がり込んできた。妻は、仲人に泣きついてこのように愚痴をこぼした。 妻「ほんとにうちの人ったら酷いんです。あたしの髪結い仕事場でちょっと予定してなかったことが起きて帰りが遅くなったのに、『こんな遅くまでどこ遊び歩いてた!』と怒鳴られちゃって…。こっちは油まみれであくせく働いてるのに、昼間っから何もしないぐうたらな亭主にそう言われちゃたまったもんじゃあないでしょう。」 仲人「そうかい、そうかい。本当は私がこういうことは言っちゃあいけないが、もうあんな男とは別れちまいなさい。実は私はあの亭主にもちょっと起こってるんだよお前さんが留守にしている間、私が野暮用でお前さんのうちに行ったら、亭主はよっぽど慌てたと見えて、急いで私を客間に通したんだが、お膳やら徳利やらが床に転がってて、昼間っから酒を飲んでるってわかってからちょっと気に食わなくなっちまって。もう早いとこ別れちまいなさい」 妻「そりゃあまりに短気じゃありませんか。少なくとも、ああいう人でもちょっとくらいはいいとこがあるんですから」 仲人「じれったいねえお前さんは。じゃあどうしたいんだい」 妻「あたしとしては、うちの亭主があたしのことをどう思ってるか、知りたいんです。」 仲人「じゃあお前さんに、2つ話を教えてやろうかな