リュウキュウトロロアオイ(琉球黄蜀葵)とは、草本植物の一種である。 [添付] 画像出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Abelmoschus_moschatus_Blanco2.245.png マヌエル・ブランコの図譜「Flola de Philippina」(1880~1883)より引用 科名:アオイ科トロロアオイ属 学名:Abelmoschus moschatus 原産地:熱帯アジア・オーストラリア 生態:一年草 別名:ムスクオクラ、トロロアオイモドキ 熱帯アジアやオーストラリアなどが原産の一年生草本植物で、わが国の最初の記録は幕末期の植物学者・飯沼慾斎の『草木図説』の「木部」の稿本に「フヨウの同一種」としてみられることではないかと推測されている。現在はトカラ列島以南の琉球と小笠原に帰化している。 茎は直立しており、一見は同属のトロロアオイのようにみえるが、トロロアオイの茎に棘があるのに対し、本種の茎には毛があるという点で区別される。葉は掌状に5つから7つに裂け、裏面には毛が生えている。 夏から秋にかけてクリーム色の5枚の花弁からなる花を咲かせ、花の中心部はあずき色になる。概してトロロアオイの花を小さくしたような見た目である。母の後につける果実はいわゆる「蒴果」で、長さ約10cmの円筒形ないしはあまり角張らない五角形となり、オクラによく似た形状である。果実内部には無数の腎臓形の種子が入っている。種子は麝香(ムスク)のような香りを有する。 若いさやはオクラ同様に食用となる。種子は香水の原料として利用される。インドでは香料や薬用植物として、また東南アジアでも野菜や民間薬として利用される。