ラカンカ(羅漢果)とは、薬用植物の一種である。 [添付] [添付] 画像出典:東京薬科大学薬用植物園にて筆者撮影 科名:ウリ科ラカンカ属 学名:Siraitia grosvenorii 原産地:中国 生態:つる性多年草 中国広西チワン族自治区が原産のつる性の多年草である。原産地では山の斜面や、川沿いに自生しているのがみられるという。雌雄異株。地下に表面が木質化した塊茎を持ち、そこから延びる蔓の長さは5mに達する。 6月から8月にかけて、葉腋に黄色い5枚の花弁からなる花を咲かせる。花を咲かせ終わったのちは、直径4cm~6㎝程度の真球形~楕円形の果実をつける。果実は初めは鮮やかな緑色で表面はつや消しだが、熟すると濃緑色~茶色がかった緑色となり、光沢を帯びる。果実が熟せば熟すほど、果実表面は一層光沢を増す。果実内部には凸レンズ型の薄い褐色の種子が多く入っている。 熟した果実はは甘みがあって食用にすることができるが、果物として生食することはなく、乾燥させて粉末にしたのち、お茶として煎じて飲むほか、水やメタノールなどで抽出したものを、「ラカンカ抽出物」という名称で料理の材料に用いる。 大型スーパーで見かけることのある「ラカント」という調味料はこのようにラカンカから抽出した甘味料で、砂糖よりも低カロリーであることから、健康食品として人気が出ている。 また、本種は古くから薬用植物としても利用されており、漢方の世界では「羅漢果」と呼んで服用するのだが、喉や肺を潤し、鎮咳作用があるとされる。わが国においても、のど飴に本種の抽出物を添加しているものがあり、薬局で出回っている。 「羅漢果」という名称は、名称は果実の薬効を仏教の聖者である「羅漢」のご利益にあやかったとも、果実の見た目を羅漢の頭に例えたとも、また本種に薬効があることを発見した中国の清王朝時代の医者の名前にちなむという説もある。