マダケとは、竹類の一種である。 [添付] [添付] 画像出典:いずれも赤塚植物園(板橋区)にて撮影 科名:イネ科マダケ属 学名:Phyllostachys bambusoides 原産地:中国(日本?) 生態:多年生常緑竹 中国が原産の常緑竹類の一つで、湖南省、江西省、河南省それに浙江省などに分布する。わが国には古い時代に渡来し、現在は北海道を除く各地に野生化しているほか、庭園に栽培せらる。なお原産地に関しては異説もあり、わが国に自生する数がかなり多いことから、わが国がマダケの原産地であるとする説もある。 樹高は10mから20mで、稈の直径は10cmから15cmほどである。2個の節があって、節と節の間は20㎝から40cmになり、片側に溝があり、節ごとに2本の枝が出るのが特徴である。 竹類の中では筍を出す時期が最も遅く、5月から6月ごろである。また、筍の表皮は黒みをおびた褐色で、表面には黒い斑紋がある。本種の筍は食用にはなるが、苦みがあるので古くは「苦竹」の名称で呼ばれた。竹材としてももっとも多く利用されるもので、かのエジソンの電球の発明に使われたフィラメントの材料も本種であるという。また、筍の皮は強靭なので、古くはお弁当を包むのにも用いられた。 「竹取物語」を絵本化した「かぐや姫」では、「小さい子供が入るくらいの大きさの竹」というイメージを膨らませてモウソウチクが描かれているが、モウソウチクは江戸時代に中国から入ってきたもので、平安時代を舞台にしている「かぐや姫」とは時代背景が合わない。よって、かぐや姫が入っていた竹は本種、すなわちマダケであると考えられている。