ボケ(木瓜、貼梗海堂)とは、園芸植物の一種である。 [添付] [添付] 画像出典:いずれも東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:バラ科ボケ属 学名:Chaenomeles speciosa 原産地:中国 生態:落葉低木 観賞用にするため庭に栽植される中国原産の落葉低木で、わが国には平安時代に渡来し、江戸時代中期、時期で言えば徳川吉宗のころには栽培が一大ブームとなっている。 樹高は3mほどになり、葉は長楕円形から楕円形で、束生する。幹は束生し、黒ないしは灰色がかった褐色である。若い枝は最初は毛があるが、成長するにつれて次第に抜け落ちる。また、節ごとに枝状のトゲがある。早春から春の盛りにかけて葉より先に直径2.5cmから4cmほどの花を前年度の枝に咲かせる。花色が赤いものは「緋ボケ」、白いものは「白ボケ」、紅白が混じるものは「更紗ボケ」という。 果実を初夏から夏に実らせ、和名の「ボケ」は漢字で「木瓜」と表記し、果実の形状がマクワウリを思わせる楕円形であるため。熟すと甘い香りを放つが硬くて酸味が強いので、生食することはできない。未熟な果実を輪切りにして干したものは「木瓜(モッカ)」の名称で漢方薬として利用され、補血、強壮、疲労回復、咳止め、食あたり、熱中症に効果があるという。