ホタルブクロ(蛍袋)とは、山野草の一種である。 [添付] 画像出典:板橋区立赤塚植物園にて筆者撮影 科名:キキョウ科ホタルブクロ属 学名:Campanula punctata 原産地:日本・中国 生態:多年草 我が国や中国、朝鮮半島に分布がみられる。丘陵や山地に生息するほか、花を観賞用とするため庭に植えることもある。 草丈は30㎝~80㎝となる。根生葉には翼のある長い柄があり、茎葉は互生している。開花するころには若干枯れてくる。 6月から7月にかけて花茎から穂状花序を伸ばし、花径3cm程の釣鐘型をした花を咲かせる。花の先端部は5裂し、萼裂片の間に反り返った付属物がある。 花色は薄紫色や薄桃色、純白などさまざまである。この花色に関しては、たいてい関東の山地に生息するものが赤色系統の色合いで、関西の山地に生息するものが白系統であることが多いという。 和名は、古くは里山の子供たちがこの花の中に蛍を入れて遊んでいたことから。花の形状やそうした遊び方から、「チョウチンバナ」と呼ぶこともあったという。 特徴的な花を観賞用とするほか、若い芽や葉、蕾や花を山菜として食用にすることがある。いずれの部分もよく茹でてからおひたし、和え物、煮びたし、油炒め、汁物の具などにする。
[添付] 画像出典:板橋区立赤塚植物園にて筆者撮影 ホタルブクロの変種で、山地に多く生育することからこの名がある。 草姿はホタルブクロのそれとほとんど変わらないが、蕚裂片の間には反り返った付属物がなく、蕚片の間が盛り上がっているのが特徴である。
[添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 ホタルブクロの変種で、徳島県那賀町と高知県香美市の境界に位置する石立山(いしだてやま)に産する。本種は矮性で、草丈は10㎝程となる。 花は白く、内側に赤紫の斑点が多く入り、それが表側に映り出る。
