ホウキギ(箒木)とは、有用植物の一種である。
画像出典:(左)自宅近くの園芸店にて撮影/(右)東京都練馬区・大泉学園にて撮影 科名:ヒユ科ホウキギ属 学名:Bassia scoparia 原産地:ユーラシア大陸 生態:一年草 別名:ホウキグサ、コキア アジア・ヨーロッパなどいわゆるユーラシア大陸が原産の一年草草本植物で、現在では広く温帯地域に帰化している。草地や路傍に生えるが、現在は観賞用にするため庭に植えられたり、食用になる種子を収穫するため畑に栽培されたりすることが多い。草丈は50㎝から100㎝程で、茎が無数に枝分かれして、全体の姿が紡錘形になるのが特徴である。葉は線形から披針形で茎に互生し、両面に短い軟毛が密生している。秋には色づいて真っ赤になり、この紅葉した植物体は旧属名の「コキア」という名称で、秋のフラワーアレンジメントとして人気である。 上部の葉腋に小さな両性花と雌花を数個ずつ咲かせるのだが、全体的に黄緑色でよく目を凝らさないと見えないほど小さく、目立たない。花弁はなく、花弁のように見える部分は蕚片が厚くなったものである。花の後には「胞果」という小さな果実をつけ、内部には極小の黒緑色の種子を含む。この種子は「とんぶり」という名称で食用になり、色合いとプチプチとした食感から「畑のキャビア」「陸のキャビア」ともいわれ、煮付けて大根おろしやとろろに混ぜて食べる。k尾の種子は食材だけでなく漢方薬の「地膚子(ジフシ)」としても利用され、体の疲れをとるだけでなく、膀胱炎や疥癬、湿疹、蕁麻疹を改善してくれる効果がある。 また、種子の収穫が終わって枯れた株は硬く木質化しており、これを束ねて箒に加工する。和名のホウキギまたはホウキグサはここに由来する。