フクジュソウとは、山野草の一種である。 [添付] 画像出典:東京都薬用植物園にて筆者撮影 科名:キンポウゲ科フクジュソウ属 学名:Adonis amurensis 原産地:日本、中国、朝鮮半島、サハリン 生態:多年草 わが国の落葉広葉樹林の林縁や隣家に自生がみられ、また人家に観賞用として栽培される。草丈は15㎝~30㎝程度で、葉は三回羽状裂葉で長き葉柄を持ち、毛はない。茎は大型の鞘片に包まれる。 2月から3月に茎の頂点に直径3㎝ほどの黄色い花を咲かせる。6月ごろには、地上部は枯れて休眠に入る。根は古くは漢方薬として強心剤や利尿目的で用いられたが、かなり強い毒性があり、「強心作用がある」という記述から本種の根を煎じたものを多量に飲んで中毒した事例がある。また、つぼみはフキノトウに似た形状であり、誤食して中毒した実例があるが、フキノトウが鮮やかな黄緑色であるのに対し、本種のつぼみはくすんだ緑色で小さいので、区別することができる。 この毒性は、観賞用として栽培する分には問題はない。江戸時代から園芸植物として人気を博しており、『花壇地錦抄』には多くの品種が紹介されており、幕末期にはすでに百種を超える品種が栽培されていたという。